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令和6年度 施政方針

ページID:0011586 更新日:2024年3月1日更新 印刷ページ表示

令和6年度 施政方針

 令和6年度は、私が令和3年2月に町民の皆様から町政運営を託されて4年目となり、任期の最終年度となります。

 就任当初は、熊本地震からの復旧復興や新型コロナウイルス対策に、折り返してからは物価高騰対策や台湾半導体大手TSMCの町境への進出を契機とする新しいまちづくりなどに職員と一丸となって取り組んできました。

 この3年間で、令和3年10月に初めて発表されたTSMCの進出をはじめ、本町をとりまく情勢は大きく変化しています。さらに、変化の速度は年を追うごとに加速しており、役場としては先を見通しながらも、高まる不確実性や変化に対しても迅速かつ柔軟に対応していくことが、町の持続可能な発展や、住民の皆様の日々の暮らしを守るため、より重要となっています。
 そうしたなか、本年の元日、地元紙の一面を「中間駅」の記事が飾りました。その後各メディアでも報じられましたので、ご覧になられた町民の皆様も多いかと思います。

 これは、肥後大津駅から阿蘇くまもと空港までを結ぶ空港アクセス鉄道の中間付近に設置する駅のことで、本町が今後のまちづくりにおいて重点を置く施策の一つです。

 以前ご報告させていただいた通り、令和3年度に行った仮称「スポーツの森駅」設置可能性調査においては、一定の開発を織り込んだとしてもJRとの交渉が可能な利用者数が見込めないという結果であったため、新駅設置に向けては中長期的に取り組まざるを得ないという方針を示しておりました。

 しかしながら、空港アクセス鉄道のルートが「肥後大津駅ルート」へ決定されてからは、新たに空港アクセス鉄道の「中間駅」としての新駅設置の可能性が生まれました。

 新たなルートが決定された当初は、1つ目に新駅設置による空港アクセス鉄道全体の速達性への影響、2つ目に高架駅となる新駅およびホームを町独自で設置する「陳情駅」として整備するうえでの費用、3つ目に「スポーツの森駅」と同じく現状では十分な利用者数が見込めない、という主に3つの課題から実現は厳しい状況でありました。

 そこで、列車の行き違いのために2つの駅の中間付近に設けられる見込みである「信号所」を活用することで速達性の低下や、駅の設置費用を最小限に留め、さらに、中間駅周辺に商業施設や住宅地を一体的に整備し、TSMC進出に伴い必要となる新たな需要の受け皿になりながら駅利用者数の増加にも繋げるという町としての案を示すことで、まずは、今後、県やJRと協議を進めていくための俎上に載せることができました。

 したがって、現時点では空港アクセス鉄道における中間駅の設置は確定事項ではありませんが、町南部・東部をはじめとした町全体の活性化や生活利便性向上、さらには町全体で不足しつつある新たな住宅用地の確保に向けても必要不可欠であると考えていますので、今後も実現に向けた調査や計画づくり、県やJRはもとより、議会、住民の皆様および関係各機関も含めた皆様との協議を進めていきます。
 また、道路に関しては、現在国が計画している中九州横断道路の大津熊本区間が開通し、さらには北側復旧道路とつながれば、本町の交通面での優位性はますます向上していくものと考えられます。

 このような外部環境の変化や地の利を活かした施策の一つとして、TSMC進出による需要の高まりへの受け皿ともなる、新たな工業団地の整備を杉水地域で進めています。

 当該地域は以前から道路や排水の整備要望が挙がっている地域ですが、TSMC進出の発表以降、近隣には既に多数の企業進出や住宅開発が新たに進んでいます。

 そして今後は、更に民間開発が活発化することが予測される地域ですので、町による工業団地の造成やその周辺のインフラ整備に活用可能な「都市再生整備事業交付金」により、従前からの課題であった周辺道路や通学路、排水機能を一体的に整備、改善していくことで、エリア一帯の急激な変化に対応する計画です。

 また、工業団地の東を通る町道杉水水迫線を北へ延長し、県道熊本大津線に接続させることで、矢護川地区とのアクセス性も向上させ、北部地域全体の振興にも繋げる計画としています。

 工業団地の造成にあたっては、先祖代々受け継いだ大切な農地を提供してくださる農家の皆様が、継続して農業を営んでいただけるよう、代替地を確保するとともに、周辺地域にお住まいの皆様の不安を解消できるよう対応していく考えであり、令和9年に分譲を開始するため、地権者の皆様や周辺地域にお住いの皆様にご協力をお願いしています。
 また、令和5年からの南阿蘇鉄道の乗り入れ、TSMCを中心としたエリアへの企業集積、さらに今後の空港アクセス鉄道開通や中九州横断道路の開通によって、より一層交通結節点や玄関口としての機能と期待が高まる肥後大津駅周辺についてもバス転回広場をはじめ着実に整備を進めていきます。

 さらに、企業や住宅集積に伴う交通量の増加への改善策として、三吉原北出口線の多車線化にも取り組んでいきます。
 先日、国立社会保障・人口問題研究所が、2050年には、熊本県の人口が22%減少する中において、大津町、菊陽町、合志市の3市町のみ、人口が増加するという推計を発表しました。県全体をけん引する地域として、今後、本町が担う役割はますます大きくなります。

 こういった、2年あまりの変化や将来にわたって人口が増加していく状況を都市計画に反映させるため、都市計画マスタープランを大幅に前倒しして見直します。

 現計画は、平成31年に策定しているため、見直しにあたっては町内の動向はもとより県内の情勢や近隣市町村の変化との整合を図るとともに、中間駅や工業団地についても盛り込んでいきます。

 また、住宅開発が急増するとともに、地価が高騰している状況を踏まえ、新たな住宅開発等を誘導していくエリアの創出に向け立地適正化計画を策定します。

 これらにより、大津町で家を建てたいと思ってくださる方のニーズにも応えられるよう、産業エリアと居住エリアの見直しを行い、地域ごとの構想も磨き上げていきます。
 町としましては、20年後、30年後も持続可能で、より活気がある住み良い町であり続けるよう、この好機を最大限に活かし、厳しい財政状況ではありますが、未来への新たな種もまきながら、新しい大津のまちづくりに邁進する考えです。

コロナ対策

 猛威を振るった新型コロナウイルス感染症が令和5年5月に5類感染症になったことで、町が担う役割は一定の目途がついたものと考えます。

 3月末をもって全額公費によるワクチン接種は終了し、令和6年度からは65歳以上の方および60歳から64歳で一定の障がいがある方に限って秋冬の定期接種を予定しています。

 ワクチン接種をはじめ様々な対応にご尽力いただいた菊池郡市医師会、医療従事者、高齢者・障がい者施設等の職員の皆様、子どもたちの保育・教育現場の職員の皆様に感謝申し上げます。

 町としましては、この3年余りの経験を今後の感染症対策に活かすとともに、感染症の状況は今後も注視していく考えです。

命を守る徹底した防災・防犯対策

 元日に北陸地方を襲った地震では、建物の倒壊や道路の損壊、生活インフラの停止など甚大な被害が発生し、多くの方々が犠牲となりました。お亡くなりになられた皆様に哀悼の意を表すとともに、被災されました皆様に対しまして、心からお見舞いを申し上げます。

 庁舎に募金箱を設置し、町民の皆様に義援金のご協力をお願いしましたところ、多くの方々から温かいご支援をいただき、先日、日本赤十字社石川県支部を通じて被災地に送金させていただきました。皆様のご協力に対し、心よりお礼を申し上げます。

 役場の対応としては、石川県輪島市に職員を派遣し、住家被害認定調査や罹災証明書受付業務にあたっているほか、3月議会において支援金に係る予算を計上させていただいているとともに、ふるさと寄附金の代理受付などを行っています。
 なお、本町における防災対策としては、令和6年度は、地域防災のかなめとして重要な役割を担っている消防団への支援として、消防団拠点施設の機能向上に順次取り組んでいくとともに、より多くの方に参加いただくため、機能別消防団制度の導入に向けて検討を本格化させます。

 そのほか、令和6年度は設計からになりますが、避難所ともなる町総合体育館にエアコン設備を整備し、避難所の環境改善に取り組む考えです。

 また、3月義会に条例改正案を上程しているとおり、防災行政無線が聞こえない地域に新たに2基設置し、緊急時の情報伝達の一つの手段として機能させていきます。
 また、水害対策としては、3年前から継続している平川を含め、浚渫を引き続き行うとともに、今後の護岸等の改修に向けて平川を準用河川へ格上げし、河川管理者としてより適正に管理することで、流域の住民の皆様の安心安全な暮らしを守っていく考えです。
 熊本地震を風化させないよう、そして、町や消防団、防災士などの関係機関、さらに民間企業や住民の皆様が相互に助け合い災害を乗り越える強い町であり続けられるよう、総合防災訓練も引き続き実施しながら重層的に取り組んでいきます。

子育て支援・教育環境日本一のまちづくり

 令和4年3月に策定した大津町人口ビジョンでは、2035年ごろまで14歳以下の年少人口は増加し続けると推計しています。

 先の、国立研究所の推計では今後減少が継続するものと推計されていますが、令和2年の国勢調査を基準としていることから、TSMC進出発表以降の本町をとりまく状況は加味されていません。したがって、令和6年度に策定する「こども計画」に合わせ、改めて年少人口の推計を行い、今後の施策の基礎とする予定としています。
 また、令和4年2月に策定した「大津町公立保育等再編方針」を着実に実行していきます。第1段階としていた大津幼稚園の民間認定こども園への移行は無事完了し、来月4月からの開園となります。スムーズな移行のためにご協力いただきました保護者や関係者の皆様にお礼を申し上げます。

 そして来年度からは、町立陣内幼稚園と町立大津保育園の統合による町立認定こども園の再編・新設、および子育て支援拠点施設の一体的な整備に向けた具体的取組みを開始します。

 子育て支援拠点施設は、子育て世代や子どもたちが気軽に寄れる居場所を目指し、雨の日でも遊べる全天候型の遊び場、保護者同士の交流や職員に相談ができるスペースを備えるもので、北中校区内において、令和10年の開園を目指す考えです。

 財源としては、公立園が1園となることによる施設整備費や運営費の町負担割合の減少分に加え、立地適正化計画による国からの補助を活用するとともに、企業版ふるさと納税による寄附も引き続きお願いしていく考えです。

 将来的には、公立の保育所が一か所となりますが、町としましては、新たな拠点の機能も生かしながら、更に子育て支援を強化することで、今後もすべての子ども達の健やかな成長を支えていきます。
 また、企業版ふるさと納税のメニューである「みんなの公園プロジェクト」にお寄せいただいた寄附金を主な財源として、大津町運動公園スポーツの森・大津に、障がいのある子どもをはじめ、すべての子ども達が楽しく遊べ、保護者も安心して見守ることのできるインクルーシブ遊具を設置します。

 「遊び」は、それぞれの子どもが持っている能力を伸ばして成長するために欠かせない重要なものであり、遊ぶことは、本来すべての子どもが平等に持っている権利です。

 また、今後、海外を含め多くの子育て世代の移住が予測される本町において、インクルーシブ遊具がすべての子どもたちの遊び、そして繋がりづくりの一助となるよう取り組んでいきます。
 さらに、家庭や学校に居場所がないと感じている子ども達にとって、居場所となる場を確保し、子どもとその家庭が抱える多様な課題に応じた支援を行う児童育成支援拠点事業に新たに取り組むとともに、病児・病後児保育事業やファミリーサポート事業等の充実にも引き続き努めていきます。
 次に、教育環境については、現在工事を進めている大津中学校の長寿命化改修、護川小学校の屋根改修に加え、大津小学校の外壁屋根改修、大津東小学校、大津北小学校の照明設備のLED化に取り組むため実施設計を行います。学校施設の整備を着実に進めることで、子どもたちが安全に安心して勉強できる環境を整えていきます。

 また、校舎の老朽化が進んでいる大津南小学校の建て替えについては、学校を核とした南部地域の活性化の視点をもって検討を進めていく考えです。
 また、令和6年度には、台湾高雄市の学校と姉妹校協定を既に結んでいる大津小学校、美咲野小学校、大津北中学校に加え、新たに護川小学校が高雄市の小学校と姉妹校協定を締結する予定としています。台湾との交流をきっかけに、多様な社会で生き抜く人間力が養えるよう環境を整えていきます。
 さらに、1月に旧電算室の貸付先を選定するプロポーザルを行い、通信制高校を運営する法人に貸し付けることに決定しました。

 令和7年度に開校する予定で、あわせて外国籍の子どもや不登校の状況にある子どもへの支援や社会人向けのリカレント教育も実施される計画です。

 通信制高校が町内にできることで、さまざまな事情で学ぶことを諦めようとしていた子どもに学びの機会が確保されることや、全日制にこだわらず選択肢の一つとしてとらえられることで本町の子どもたちに多様な学びの機会が確保されることに期待しています。

人生100年時代を見据えた福祉

 人生を支える「健康」については、令和6年度は、2月にリニューアルしたトレーニングルームを活用して運動習慣を定着させていただく事業や、高齢者を対象に効果的な筋力トーニングを身につけていただく教室を開催するなど、幅広い年代の方々に運動習慣を定着させる取り組みを重点的に実施していきます。

 また、事業効果を検証しながら、獲得した民間のノウハウを活かして事業の最適化を続けていくことで、医療費の抑制に向けた取り組みを推進するとともに、何よりも住民の皆様に健康で充実した生活を末永く送っていただくことを目的として関係機関と連携して取り組んでいきます。
 次に日々の暮らしを守る「福祉」について、令和6年度は、5年ごとに策定している地域福祉計画の策定年です。

 地域福祉とは、身近な地域の中で、誰もが安心して暮らせるようにするために、地域の現状や課題に応じて、地域で工夫し支えあう地域づくりのことです。

 現計画を策定した令和2年3月は、国内において新型コロナウイルス感染症の流行が始まった頃であり、その後3年間、地域の夏祭りや敬老会等のイベントが開催できない状態が続きました。

 地域のつながりをあらためて繋ぎ直すために、そして令和2年には想定しきれていなかった本町を取り巻く外部環境の変化を受け、新たに転入された方や外国籍の方々とも共に支えあえる地域づくりに向けて、住民の皆様や関係機関の皆様と十分に検討し、令和7年から5年間の福祉の羅針盤を作っていきます。
 また、3月議会に「大津町手話言語の普及及び障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例」案を上程しています。

 手話は言語であるということを町民の皆様に知っていただくとともに、コミュニケーションをとることに不便を感じている方が、それぞれの障がいの特性に応じた手段を利用できるよう環境を整えるため、町の責務をはじめ、事業者や町民の皆さまの役割を規定するものです。

 全ての人が、様々な手段を使ってコミュニケーションをとり、お互いを認め合いながら安心して暮らすことができる共生のまちづくりを進めていきます。

活気とにぎわいを生む仕組みづくり

 まず、町民の皆様の関心が高く、かつ、町全体の活気とにぎわいの土台となる「公共交通」については、現在、まちなか運行バスの実証運行を実施しています。

 これは、北部南部地域から乗合タクシーで中心部にお越しいただき、中心部ではまちなか運行バスを使って移動していただくことで、車を運転できなくとも、生活に欠かすことができない買物や病院受診ができる環境を整備するものです。

 令和6年度は、9月の実証運行終了後、本格運行に向けた結果分析に取り組み、主に高齢者の移動ニーズに対応するため、まちなかエリアの回遊性向上を目指します。

 また、路線バス木山・土林線、大津高校線について、運行形態や運行ルートの見直しや、乗合タクシーのエリア拡大等の検討にも取り組んでいきます。

 検討にあたっては、利用者の声を聴くとともに、タクシー事業者、バス会社、関係市町村等と十分に協議し、本町にとって最適で持続可能な公共交通を官民連携して再構築していきたい考えです。
 次に、運転免許を自主返納された方への支援として、タクシー利用券とバスICカードを交付する計画としています。

 この取組みによって、交通事故防止はもとより、返納後の公共交通の利用のきっかけづくりにすることで、返納後の活動量の減少が引き起こす心身機能の低下を予防するとともに、公共交通の利用者を増やすことによって町内公共交通システムの持続可能性を高めていきます。
 次に、活気とにぎわいの中心となる「肥後大津駅周辺整備」については、令和6年度に「肥後大津駅周辺まちづくり基本計画」を策定し、肥後大津駅が担う航空、鉄道、バス、道路の交通結節機能の強化、駅周辺エリアの過ごしやすさ・暮らしやすさの向上と町全体への活性化の波及効果を狙い、駅周辺に導入すべき都市機能、あるべき土地利用等について方針を定めます。

 また、駅利用者の安全確保や送迎車による混雑緩和のため、バス転回広場の設置については、早期の完成を目指します。
 次に、歴史・文化面については国指定重要文化財の江藤家住宅について、令和6年度に落成式を執り行う予定としています。修理現場見学会やその後の一般公開では多くの見学者にお越しいただきました。

 今後も、本町を代表する歴史的文化財を多く方にご覧いただき、熊本地震からの復興と江戸時代の趣を肌で感じていただけるよう、江藤家当主、「江藤家住宅まもろう会」、関係者の皆様と連携し取り組んでいきます。

 また、歴史文化伝承館における学習や、史跡カルタの活用をとおして、本町の歴史や文化を楽しく学び、子どもをはじめ様々な世代の方々に郷土愛を育んでもらえるよう事業を実施していきます。

町内産業支援と活性化

 本町は農工商並進を推進しており、これからも力強く継続していきます。

 国の農業従事者の平均年齢は68.4歳であり、70歳以上の従事者は全体の半分以上を占めており、20年後の農業従事者の中心となる50代以下は全体の2割程度にとどまります。

 本町においてもこの傾向は同様であり、農業振興を進めるためには、農作業の効率化・省力化を進めるとともに、新規就農者を確保し技術力を継承していくことが必要です。

 そのための一つの方策として、令和6年度は、ロボット技術やICTを活用して農業経営に取り組む認定農業者へ補助金を交付し、スマート農業の導入支援に取り組みます。
 また、本町を含むTSMC周辺地域において、企業進出や新たな住宅用地の整備により農地が不足し、営農継続に支障をきたしている状況があることは、大きな課題であるととらえています。

 本町としましては、企業進出と農業振興を両立させることを基本方針とし、国、県と連携し、遊休農地の効果的な活用等、農地の確保に取り組んでいきます。

 また、こうして白川中流域の農地を守りながら、水循環型営農推進協議会、菊陽町、熊本市、さらに大津菊陽水道企業団等とも協力し、地下水の涵養をはじめ、熊本の水を守る取組みも推進していきます。
 また、商工業については、企業立地が年々増加しており、令和5年度は10社が進出され、既存企業の工業増設等を含めると15社の企業に立地をいただきました。半導体関連や製造業、倉庫物流業などで、ビジネスホテル3社も含まれます。

 企業やホテルの増加は、人流の増加による商業への波及効果にもつながるため、この好機も活かし、商業振興と観光振興にさらに力を入れていきます。

 令和5年度から大津町商工会が役場の北側に移転されたこともあり、役場との連携がさらに強化されたと私自身実感しているとともに、商工会からもそのようなお声を頂いています。

 本年はこれまで以上に役場、大津町商工会、肥後おおづ観光協会が手を取り合って協力し、新たな流れを作っていく考えです。

 その一つの方策として、町中心部にある4つの商店街がさらに活性化することで、駅周辺の賑わいにつながるよう、大津町商工会を軸に商店街同士の連携体制を深める商店街助成事業に取り組みます。

 また、令和5年7月の南阿蘇鉄道の大津駅乗り入れの日にあわせ、肥後おおづ観光協会の運営により開催した大津夜市のような、町民の皆様に楽しんでいただけるイベントを今後も地元飲食店の皆様のご協力のもと定期的に開催し、商業・観光業の振興にも繋がるよう取り組んでいきます。
 また、深刻な問題である「交通渋滞」については、町民の皆様の生活へはもちろん、産業振興へも悪影響を与えるため、その緩和に向けて全力で取り組んでいく考えです。

 具体的には、渋滞発生路線である町道三吉原北出口線について、多車線化や迂回ルートの整備に取り組んでいきます。その他の道路整備についても、国、県、周辺市町村と連携しながら取り組んでいきます。
 また、企業の人材不足改善に向けて、引き続き、企業連絡協議会とも連携した取組みを行うとともに、旧電算室に開校する通信制高校をはじめとした新たな教育拠点とも連携していく考えです。

町民に、より信頼され、愛される役場の実現

 民間企業における人材不足と同様に公務員不足も全国的に顕在化してきていますが、令和4年度から始めたキャリア採用により、本町では一定数の方に受験いただいています。

 民間企業経験者の割合も増えてきましたので、民間と行政の相互の価値観や経験値を融合することで、相互の強みを生かした堅実かつ新しい発想も生み出すことができる組織づくりを引き続き進めていきます。
 また、令和5年度も新たにスマートフォンによる鳥獣被害報告受付や各種申請のオンライン受付、窓口でのセミセルフレジの導入およびクレジットカードや電子マネー対応などを開始しておりますが、令和6年度もマイナンバーカードを紐づけしたスマートフォンによるコンビニでの各種証明書の交付など、ICT等を活用した業務効率化や住民サービス向上を引き続き、進めていきます。
 さらに、町民の皆様の信頼を得、また安心して暮らしていただくためには、健全な財政運営が必要不可欠です。

 様々な整備計画がある中で、厳しい状況は続きますが、業務の効率化や補助財源の確保、そしてふるさと寄附金、および企業版ふるさと納税のさらなる磨き上げなど工夫を凝らしながら、健全運営に努めていく考えです。
 以上、町政を推進するにあたり、基本的な考え方と今後のまちづくりにおける私の考えの一端を述べさせていただきました。

 令和5年度も町政運営に邁進することができましたのは、大津町議会並びに区長、民生委員をはじめとする地域の皆様のお力添えのおかげです。この場をお借りしまして、深く感謝申し上げます。

 任期最終年度である令和6年度も、職員と一丸となって、多くの方々に住み続けたいと思っていただける町をつくるため尽力していきますので、議員各位並びに町民の皆様のより一層のご指導、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

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