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平成18年9月にわずか421グラムで生まれた工藤妃依さん。家族などへ「ありがとう」をテーマに書いた作文が第7回障がい児者・家族の作文集の高等部門で最優秀賞を受賞した。超低出生体重児として生まれながらも彼女らしく成長し、真っすぐに生きる工藤さんにクローズアップした。
「生まれた日より、大きくなりますように」そんな思いで付けられた名前「妃依(ひより)」。母のゆかりさんは「赤ちゃんの集団検診など、同じ月齢の子が集まる場では焦る気持ちもありました。でも「妃依らしくいればいい」そんな気持ちで子育てをしました」と語る。両親の思いを受け妃依さんのペースで素直に育ち、今では韓国のアイドルグループが大好きな女子高生だ。そんな彼女は小中学校では支援学級と通常学級を行き来する生活だった。周りよりも小さな身体、給食を食べ終わることに時間がかかることも多かった。「通常学級の教室の扉を開けることに抵抗がある日もありました。でも先生が「そんな時は支援学級の教室にいたらいいよ」と自分の居場所を作ってくれて、話を聞いてくれたりしました。そんな先生や皆さんのサポートがあったから、高校まで無欠席で通学することができました」おっとりと話す彼女だが責任感が強く、挨拶やお礼も欠かさない。中学校時代の先生とは今でも連絡を取り合う仲だ。18歳を迎え、今年の春から社会人。「自分のお給料でいつか両親を世界一周旅行に連れていきたいです」そう語る妃依さんは、素敵な大人への階段を着実に上っているようだ。
母ゆかりさんの入院中、看護師が妃依さんの様子を記入し、やりとりを行っていた育児ノート。
授業の一環で行われる職場体験実習。
何事も真面目に取り組むと評判。