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2020年7月、突然の体調不良をきっかけに脳腫瘍が発覚した古庄亮二さん。人との縁に支えられ、目標を持ち続けることで仕事と空手道への復帰を果たした。空手道を通じ、挑戦することの大切さを伝える彼にクローズアップした。
幼い頃に兄の影響で空手道を始め、指導員としても多くの後輩を育ててきた古庄さん。しかし、突然の体調不良から脳腫瘍が発覚し、闘病生活が始まった。コロナ禍での面会禁止、今までできていたことができなくなってしまう苦痛。最初は空手道への復帰も諦めていたが、家族や仲間の支え、そして空手道を通じて培った精神力を糧に、一歩ずつ前を向いて歩みを進めるようになった。
闘病中は治療やリハビリの中で小さな目標を立て、それを達成し成功体験を重ねることで自信を深めた。そのうち病気や困難を抱える人々の希望となりたい、そして子どもたちにチャレンジすることの大切さを伝えたいという想いから空手道への復帰を決め、昨年10月に見事大会への復帰を果たした。久しぶりの試合では、たくさんの仲間が会場に駆け付けた。「お世話になった人たちに笑顔を見せたい」そんな思いで闘うことができた。
現在は、鍼灸師として患者さんに寄り添いながら、空手道の指導も続けている。「痛みは体だけでなく心も傷つけるもの。だからこそ、無理をせず自分の体を大切にしてほしい」と、経験を生かした言葉を発信している。目標を持ち、一歩ずつ進んでいくことが希望の光につながる。自身の闘病経験を通じて、そのことを多くの人々に伝えていきたいと話す古庄さん。その姿勢が、これからも多くの人に勇気を与えていくことだろう。
闘病中は友達からの毎日の電話や、空手道の後輩から送られる試合の動画などのエールが古庄さんを元気づけた。
指導員として、技を磨くだけではなく挑戦する精神を育てることも大事にしている。