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幼児期から中学校までの学びと育ちをつなげ、伸ばすために
幼児教育の質の向上と幼稚園、保育園等、小学校、中学校の連携強化に取り組んでいます
幼児教育と小学校教育をつなぐ「大津町幼小接続期カリキュラム」が完成しました。
大津町は、令和元年度及び令和2年度の2年間、熊本県の「幼児教育推進体制の充実・活用強化事業に係る市町村実践研究事業」において地域指定を受け、幼児教育の質の向上と幼稚園、保育園等、小学校、中学校の連携強化に取り組みました。
令和2年度は、幼児期と学童期の「学び」をつなぐため「大津町幼小接続期カリキュラム」を作成しました。
大津町幼小接続期パンフレット[PDFファイル/8.42MB]
「学び」は幼児期から始まります。「幼児教育」と「小学校教育」の教育内容や方法が異なるため、それが大きな段差となって、スムーズに適応できない児童もいます。このカリキュラムの実践により、子どもたちが安心して小学校での生活をスタートできるように取組を進めます。
これらの取組により、町内すべての園とすべての小学校や中学校の距離が近づき、子どもたちが、夢を育み、健やかに育っていくことを願っています。
取組内容は次のとおりです。
1.幼児教育・保育の質の向上
(1)幼児教育アドバイザー派遣事業
町内の幼稚園、保育所等に幼児教育アドバイザーを派遣しました(23回)。
事業対象:町内の効率保育園・幼稚園、私立保育園・幼稚園、認定こども園、小規模保育園、認可外保育施設
報告書から抜粋
- 保育士の話す立ち位置、子どもたちを引き付けて話す環境にあるか、保育士の方を向いてくれるような工夫があるか等助言をいただく中で、各担任とも日頃の保育環境に慣れてしまっており、それぞれの工夫が見られなかったことに気づいた。物的人的環境を再度見直し、各クラスでなく、全体で連続性、持続性を見据え共通理解のもと、保育内容を考えていかなければならない。保育の「ねらい」に応じた活動がスムーズにできる環境を整えられるよう園で取組を検証していきたい。
- 「子どもたちが自分でしようと思うことがどうやったらできるか」など保育参観をとおして、主体的な子どもの活動について改めて学ぶ機会をいただいた。
(2)保育士等研修会
遠隔会議システムを利用して、町内の保育士、幼稚園教諭及び小中学校教諭を対象とした研修会を実施しました。
- 演題:「元気で明るい職場づくりーわたしも元気、みんなも元気―」
- 講師:熊本大学名誉教授 吉田道雄氏
アンケートより抜粋
- コロナ禍の中で、前向きに仕事に取り組む気持ちを持てるような研修でした。
- コロナ禍でほかの保育園との交流がない中、リモート研修を通じて交流できるのはうれしいことだと思いました。
- クラス運営する中で、悩むことも多く、自分はリーダーに適しているのか考えることも多かったので今回の研修で学んだことを実践していきたい。
- 職場が元気でなければ、質の高い教育はできないと改めて思いました。
- リーダーという役割でなくても、人に影響を与える人がリーダーであるということに気づかされ、そういった人物でありたいと思いました。“小さなことを大事に”保育士としても、一人の人間としてもそこを大事に生きていける人になりたいと思いました。
(3)研修用DVDの貸出
各園で園内研修ができるように、子育て支援課窓口で研修用DVDの貸出を始めました。
2.幼稚園、保育所等、小学校、中学校の連携強化
(1)0歳から中学校までの「連携カリキュラム」の周知・普及
昨年度改定した「連携カリキュラム」については、コロナ禍でもあり、具体的な活用方法等について話し合う場もなく、交流も難しい状況でした。しかしながら、「連携カリキュラム」を使って交流を実施した園・学校においては、交流のねらい(目的)をはっきり持ち活動を行ったため、相互に効果的な取組となりました。
大津町 幼・保等、小、中連携カリキュラム[PDFファイル/2.03MB]
(2)幼児教育と小学校教育をつなぐ「接続期カリキュラム」の作成
幼児教育と小学校教育をつなぐ「幼小接続期カリキュラム」については、大津町幼・保等、小、中連携推進協議会において作成しました。各園や小学校の意見が反映されたものとなっています。
大津町幼小接続期カリキュラム[PDFファイル/1.75MB]
(3)「育ちのステップ」におけるアンケート調査
大津町では、子どもたちの健やかな成長に向けた重点取組「育ちのステップ」を作成し、園・学校、保護者、地域が連携し、その取組を進めています。
昨年度に引き続き、年長児保護者を対象にした「育ちのステップ」を基にしたアンケート調査を実施しました。昨年度と比較して、課題だった読書「家で読み聞かせをしている」については、「あまりあてはまらない」「あてはまらない」が4%減少し、若干改善しました。しかし、「DVD視聴・ゲーム使用についてのルールを守る」の設問については、コロナ禍で家で過ごす時間が増えたためか「あまりあてはまらない」「あてはまらない」が6%増加していました。
アンケート調査をすることで、課題が見えやすくなりました。また、前年度との比較や小中学校の調査(I-Check)と連動させることで、幼稚園、保育所等、小学校、中学校の連携した課題を確認し取り組むことができました。
育ちのステップ[PDFファイル/486KB]
育ちのステップ重点版[PDFファイル/562KB]
令和2年度 年長児アンケート結果[PDFファイル/157KB]
3.今後の課題
- 幼児教育アドバイザー派遣事業及び保育士等研修については、内容を検証し、より多くの園・施設及び学校が、参加・活用できるように進めます。
- 各園・施設及び学校が、「接続期カリキュラム」及び「連携カリキュラム」を実践できるよう取り組みます。
- 関係者が幼児教育・小学校教育など相互の理解を深めることが連携には不可欠なので、相互交流の更なる充実を図ります。
- 特別な支援を必要とする園児・児童への支援方法等の情報連携について、接続期には更に充実できるよう取り組みます。
- 行政機関内部(学校教育課・子育て支援課・福祉部局等)の連携強化を図ります。
- 大津町幼・保等、小、中連携推進協議会などの組織を活用し、幼稚園、保育所等、小学校、中学校の連携の推進を図ります。
今後も、これらの取組を継続して進めていきます。
幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿
健康な心と体
自立心
協同性
道徳性 規範意識の芽生え
社会生活との関わり
思考力の芽生え
自然との関わり・生命尊重
数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
言葉による伝え合い
豊かな感性と表現