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7つの小学校区でまちづくり町民懇談会を行いました!
一緒につくる、私たちのまち!
TSMCの進出や肥後大津駅と阿蘇熊本空港をつなぐ熊本空港アクセス鉄道など、大津町の状況は大きく変化しています。町の現状や取り組みを説明し、皆さんの意見を聞くために「まちづくり町民懇談会」を開催しました。5月11日から30日まで町内の小学校区7カ所で開催し、私たちの町をよりよくするために、皆さんと一緒に考えました。
大津町を取りまく状況(町長説明抜粋)
TSMC進出の影響・課題
台湾の大手半導体企業である「TSMC」が隣町に進出することで、高層マンションや住宅が増加、人口の増加などが見込み。商業施設、宿泊施設の進出による雇用の増加。税収増加による行政サービスへ還元。中心部で人口増加しているが南部・北部では少子高齢化が進む。人口増は南部・北部に波及させるチャンス。農地保全や人手不足、水の問題、交通渋滞や多文化共生など課題も多くある。町は「全庁横断的なプロジェクトチーム」を設置、これらの課題に取り組む。
空港周辺開発の動き
阿蘇くまもと空港の新ターミナルビルが開業。東海大学臨空キャンパスのオープンや県の大空港構想による周辺地域の発展、熊本空港アクセス鉄道のルート決定など、町のにぎわい創出や生活の利便性向上の一助となる。
町の取り組みと今後の課題
最近の取り組みとして、防災防犯面は、カーブミラーや防犯灯の設置や白線の整備、協定による民間企業と非常時の協力体制の構築。子育て、教育面では18歳までの医療費の無償化、小中学生1人1台パソコンへのAIを活用した学習ソフトの導入、大津中学校の大規模改修などの取り組み。福祉の面では、窓口を一元化して対応する「ふくしの相談窓口」の設置。産業面では、企業創業事業補助金を創設。その他、LINEなどによる情報発信の強化、税のキャッシュレス化など利便性の向上に関する取り組みも行っている。
皆さんとじっくり話し合いました ~質疑応答~
道路に関すること
半導体企業の進出に伴う工事車両の増加や県道拡幅による交通量の増加で「渋滞対策や安全確保をどうするか」などの質問や「道路拡幅などの整備を」「南北道路をもう一つ作れないか」「農業と共存できる道路整備を」などの意見がありました。町から「道路整備に係る町道の整備は、交通分析を行い、道路整備計画の策定に取り組んでおり、渋滞緩和や交通量の分散につながる道路改良や、南北道路などの道路新設も検討します」「国や県に陳情を行っており、安全確保にも工事事業者への働きかけも行っています」「また渋滞緩和へ向けて企業に時差出勤の取り組みや、警察には信号の時間調整などの協議もお願いしており、農業と産業が共存できる道路整備に努めます」と回答しました。
地下水に関すること
「企業は多くの地下水を使うので、枯渇が心配」や「工場で薬品を使うので水質に影響はないのか」などの意見がありました。町から「地下水は、量と質の問題があり、水量は、工場側は使用量の75%をリサイクルする方針で、残り25%も地下水涵養など地下水保全に取り組みむとのことです。水質も、県は『問題ない』とのことですが、県が調査用の井戸を掘ることとしているので、町も周辺自治体や県、研究機関などと協力し、調査とモニタリングを進めます」と回答しました。
そのほかの意見
その他、各校区でさまざまな質疑がでました。「人口減による対策」の質問では、町から「人口を増加させるためには『道路』と『学校』の問題があります。まち全体の発展につながるような道路づくりに努め、学校の魅力化へ向けて地域とのつながりをしっかり議論します」と回答しました。北部では「簡易水道組合の修繕費負担」や「河川のかさ上げ」。中部では「児童数の増減による校区再編の計画」や「肥後大津駅周辺の整備」、南部では「避難所の必要性」や「スポーツの森周辺の開発」など地域の実情に合った質問がありました。他にも「地域との連携」「障がい者向けのスポーツ企画「乗り合いタクシーのサービス」「郷土愛の育み方」「下水道の整備計画」「職員の綱紀粛正」「大学や野球場の誘致」などさまざまな意見や質問がありました。
アンケートの回答(一部抜粋)
- 家の近くでの開催で助かった。知らない人と普段から困っていることを話できて良かった。中々ない機会なのでまた参加したいと思った。
- 日頃話さない世代の人と一緒に考えて意見が出しあえたのは楽しかった。
- ボランティアの育成をお願いしたい。
- 東小学校区では小学校が続いているが中学校はなくなった。人口が増えれば中学校を復活できるのではと願っている。
- 子育てについて相談することができて良かった。今後も伝えられる機会があればいいなと思った。
- 少人数のワークは時間が短く感じた。ざっくばらんな雰囲気が良かった。
- 少子高齢化対策、高齢化地域の活性化、高齢者の移動などが課題だと思う。
- 生まれも育ちも大津町だが、今の大津町が抱える課題や現在町がやっている取り組み(子育て・教育・交通アクセス)など、今まで自分が知らないことがたくさん知れて良い経験になった。まちづくりのことを考えるのは、とても楽しいと思った。
地域のことを地域のみんなで考える ~グループワーク~
地域の課題や困りごとなど、地域の皆さんと一緒に考えるグループワークを行いました。各小学校で出た意見の一部を紹介します。皆さんが住んでいる地域ではどんなことが起きているのでしょうか。
護川小学校
道路整備
- 道路幅が狭いのにスピードを出す車が多い
- 交通渋滞の解消、子どもの安全対策
交通
- 高齢者の交通手段、免許返納後の特典
- 地域コミュニティバス
多文化共生
- 外国人も暮らしやすい町づくり
- 文化交流でお互いの文化を知る など
大津北小学校
交通
- 車の運転ができなくなってからの交通手段
- 福祉タクシー制度は負担が大きい
担い手不足
- 区役の人手不足
- 後継者不足、若手不足
地域コミュニティ
- 高齢者の集える場所づくり
- 地域全体のつながり など
美咲野小学校
地域コミュニティ
- 住民参加の意欲向上
- 地域の横のつながりの希薄化
交通
- 交通渋滞、安全対策
- 子どもの通学路の安全性
担い手不足
- 消防団員の高齢化
- 区の役員の担い手不足 など
室小学校
交通
- 交通渋滞、道路の見通しが悪い
- 登下校時の車のスピード制限
安心安全
- 子どもの安全が心配、声かけ事案が多い
- 防災無線が聞こえづらい
地域コミュニティ
- コミュニティの交流の場作り
- ゴミ出し表の多言語化 など
大津小学校
多文化共生
- ごみの分別をわかりやすく
- 交通ルール、マナーの違い
観光
- 大津駅南口の魅力化
- 観光客の呼び込み
子ども
- 小学生の遊ぶ所が少ない
- 学校に行けない子どもの拠り所 など
大津東小学校
瀬田駅の活性
- 駅前のにぎわい、駅の活用
- 駅の発展
農地
- 耕作放棄地をどうするか
- 農家の高齢化、後継者問題
防災
- 避難所がない
- 自主防災組織の防災研修 など
大津南小学校
子育て
- 子どもからお年寄りまで集える公園の整備
- 大津南小学校の施設改修
道路
- 道路の拡張、歩道の拡張、通学路の整備
- 標識設置による安全対策
農業
- 農地、水路の整備
- 住宅の増加で作付けできない圃場がある など
大津町のためにまちづくりを進めていきます
小学校区ごとの全7回のまちづくり町民懇談会を開催し、各地域で抱える課題には少子高齢化や多文化共生、交通渋滞の課題など、住民の皆さんが身近に抱える課題がありました。一方で、道路のインフラや、担い手不足、地域コミュニティーの希薄化、高齢者の交通手段など、どの地域でも共通的な課題も多く聞くことができました。今、町の状況や環境が大きく変化しようとしています。そのような中で、みんなで一緒にいろんなことを考えながら、大津町のためにまちづくりに取り組むことが必要です。町は、地域や町全体の課題をしっかりと整理し、町民の皆さんが「大津町に住んで良かった」と思ってもらえるよう、まちづくりを進めます。