新庁舎における今後の免震関連工事
9月25日に遅れていた免震ダンパー(減衰コマ型ダンパー)を搬入しました。
将来の維持管理(交換等)用に設けたマシンハッチ及び免震ピット内のメンテナンス通路を用いて搬入しましたが、マシンハッチについては有効に機能することが確認できました。なお、メンテナンス通路に関しては、設備配管配線類工事の終了まで機能を維持させることが留意事項です。
今後の免震関連工事としては、免震エキスパンションジョイント(免震EXP.J.)と免震継手があります。免震EXP.J.とは庁舎の出入り口部分など5箇所に設けられ地震時に建物が揺れても通行人の安全を確保するものです。一般的には地震等発生時に、建物と建物の接続に用いられるエキスパンションジョイント(EXP.J.)が先行して、変形なり破損する役目となっていることに対し、免震EXP.j.は、地震等が発生しても破損しないことを施工条件としていますので、地震発生後も出入口として利用可能であることが条件です。地盤側をフリーにしたウィング式安全装置を組込み、振動実験や可動試験にて性能や安全性を確認しています。
次に、免震継手は雨水排水管や設備配管類に用いられ、免震上部の建物側の配管類の揺れを吸収して地盤側の管類に接続する役目を担っています。
免震EXP.J.にしても免震継手にしても免震装置上の建物の揺れと周辺地面の揺れの大きさが(新庁舎では最大650mm)異なることから考えられた接続部分の解決策となります。免震EXP.J.以外の免震庁舎と周辺地盤との接続部分は、一般的に植え込みを設け進入を遮断していますが、新庁舎では排水側溝の上部に砂利敷きなどの浸透層を設けて進入可能な安全対策を施しています。しかし、免震EXP.J.部分のような十分な安全対策ではありませんので、この場所ではより慎重な利活用が望まれます。
【マシンハッチから免震ダンパーの搬入状況(1)】

(免震ダンパーを新庁舎西側に設置されたマシンハッチから搬入)
【マシンハッチから免震ダンパーの搬入状況(2)】

(免震ダンパーの免震ピット内への搬入状況)
【免震ダンパー設置状況(1)】

(設置された免震ダンパー(左が建物側、右が地盤側基礎と接合))
【免震ダンパー設置状況(2)】

(免震構造のため建物側基礎が地面と接していないことが分かります。)
【新庁舎に設置された全種類の免振装置】

(奥から、積層ゴム支承、ダンパー、すべり支承)
【工事進捗状況説明図】
青色部分は施工済(完了)、赤色部分は躯体部分の施工中、黄色部分は内外装仕上や設備工事の施工中、無着色部分は未施工(今後の施工)部分を示しています。2階床工事がほぼ終了し3階床の工事と併せて4階床工事が始まりました。また、免震装置のダンパーの設置工事が終了しました。
